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大阪お好み焼きへの挑戦

正 し い 食 事 

【 大阪お好み焼きの世界 】

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【大阪お好み焼きとの出合い】 【タコ焼きとお好み焼きの世界】

【大阪お好み焼きとの出合い】


大阪で幾度もどこのお好み焼きが美味しいか色々な人に聞いた。
その時決まって帰って来る返事は大体以下の様になっている。

『人の口はそれぞれだからどこが一番などとは言えないが、自分の食べた中では「○×」が好きだなあ』と言う物である。
関東と関西と言う対立項目で様々な文化的現象を論評する事が有るが、僕は上記の答え方に代表される大阪に住んでる人達の許容性の深さに感銘を受けた。



お好み焼きと言う食べ物は奥が深い。
店も多いし、作り方も、食べ方も様々である。

1994年に半年大阪に住んで僕の人生は変わった。
その時の思い出を忘れない為に、そしてこの素晴らしいレシピが元気で有ります様に






1999/7 突然訊ねたが、お姉さんは相変わらず元気だった。
そしてお好みは相変わらず美味しかった


【大好きなお店】

何ごとも最初の出合いが大事だと言う
大阪との出合いは1994年だった。東京で15年住んで失業して、大阪に職を求めて流れ着いた僕の前に、大阪はとても優しい町だった.

正確にいつとは覚えていないが、アパートのそばのお好み焼き屋さん「お千代さん」に入ったのは偶然だった。


それまで知っていたお好み焼きと言う物はホットケーキの様に良く焼けた小麦粉の中にキャベツや豚肉、イカや海老と言った様々な具が入っただと思っていた。
ところが、全く違うのである。
そして僕の中で、「お好み焼き」は精々祭りの夜店で食べるチープフードの代名詞の様な物でしか無かった。

ところが、このお店で出会ったお好み焼きが、このレシピに対しての認識を変える事になり、ひいては僕の人生をも変える事になった(大袈裟である)。

【キャベツとベースをカップに入れて....】



まず、キャベツの量が違う。写真を見ると分るがほとんどベースが見えないのである。
ここでベースと呼んでいるのは小麦粉を主体に様々な食材を加えた物を言う。
山芋をすると言う話は良く聞くが詳しいレシピは絶対に教えてくれない。(当たり前である....)

キャベツは作るたびに切るそうだ。それが大事だそうだ。(これは分るなあ)

東京で食べたりした時は大体ベースがカップの中に並々と入っていて、鉄板に展開した時にはまるでホットケーキの様に見えた様な気がする。





【そして大事なのは具】




お好み焼きはキャベツを食べる最高のレシピだと思っている。
切り立てのキャベツを適量のベースにからめ適度な温度の鉄板に形を整え展開する
キャベツが表面から突き出しているこの画像は凄いと思った
こんなんでお好み焼きになるんかいなあと思った事を思い出す

下面の方はゆっくりと焼けていくのだ





【豚肉をあげる】

そして豚肉を上げ、中に熱がたまったらひっくり返す
ひっくり返すタイミングが難しい

ここで問題が発生する。

ベースが加熱によって完全に固まってはいけないと言う事だ。
加熱温度、時間も重要だが、ベースに何を入れるかがもっと重要だ。


大体、メニューには沢山の種類が有るが、お勧めは「豚のみ」を食べてみる事である。
あんまり色々な物が入っているとこのレシピの本当の旨さが分らなくなる
シンプルな美味しさに驚きを感じる事になる





【1回目のひっくり返し】

大事な事は上から押しつぶさない事である

キャベツがベースを経由して、鉄板の熱を受けベースの中に溶け込んで、行く過程が台なしになるのだ。
外側がからりと焼けて中の水分を外にもらさないで旨味を閉じ込めていく過程こそがお好み焼きの神髄だと思う。
豚肉がジリジリと音を立てて焼けて行くのが分る





【2回目のひっくり返し】


広島流のお好み焼きがキャベツを独立して加熱するのに対して大阪流のお好み焼きはベースの中に閉じ込めてベース事の加熱でキャベツを調理するのだ。

少し経ったら又返す





【トッピングはシンプルに】



かつお節は粉状の物に限る
大体、かつお節はあくまで脇役なのだから目立ってはいけない

別な店では見えないくらいかつお節を乗せたり、ネギを刻んで乗せたりと色々有るが好ましいとは思えない
無論それはそれで良いのだが.....






【スタート/熱々をくう!!】





【断面の奇跡】

初めて、親父とお袋をこの店に連れて来たら中がナマでは無いかと思ったと言っていた。

そう感じても不思議は無い位とろりとしているのだ。
これはタコ焼きにも通じる物が有る。
ただし、タコ焼きの場合はどちらかと言うとクリームシチューに近い物が有る。(後述します)

そして、食べている間にも加熱は進む。
それが又絶妙なのだ。
時間が経つに連れて口当たりが変わり、味わいが変わって来る
これを喜ぶ人と喜ばない人がいるし、皿にとって食べたい時も有る




出来上がりを切った断面を見ると分るが、中心に向かう程トーロリとしてキャベツはベースに溶け込んでいなければならない。


東京のお好み焼きが駄目なのは中まで硬くなっていたりする事が有るからである。
ちなみに、大阪でも時々そう言うお好み焼きに出会った。
そう言うお好み焼きは大体具が多くて、厚くて有名なお店である。

厚いと加熱が強くなり、具の種類が多いと加熱条件も複雑になる。
だから、シンプルに、そして手早く片付けましょう。
作るも食べるも短距離競争!!



具材を味わうお好みもまた良いのだけどね〜









お店の命は鉄板である
そして、お好み焼きは鉄板の上でパクツクに限る
これが旨いんだなあ

ちなみに、このお店1994年段階では80歳のお婆ちゃんとその娘がやっていて、店にはいると、奥でお婆ちゃんがキャベツを刻み、娘さんが焼くと言うパターンだった。
良いお婆ちゃんでねえ
色々と話をした事を覚えている
お好みに入れるキャベツのきり方を千切りか、ザク切りか聞かれるのだ

どう違うか訪ねるとていねいに教えてくれたっけ

1999年7月にいったらお婆ちゃんは2年前に亡くなったとのことだった。
眠いといって眠ったら、そのままお亡くなりになったそうだ。

合掌




【タコ焼きとお好み焼きの世界】
タコ焼きとの出合い
やはり大阪にいた時、王子(奈良県になるのかなあ.天王寺から電車で20分くらいの所だと思うが..)で市役所に訪問する電車の乗り換えの時、あまり意識する事無く、屋台でタコ焼きをひとつ買った

その頃の興味はお好み焼きに集中していたのでそのタコ焼きを買った時はさほど興味を持たなかった。
それまで何度かタコ焼きを食べたりもしたが、さほど「旨い!!」と感じさせるものではなかった。


ところが、このお店(屋台)でかったタコ焼きを駅で食って驚いた
旨いのである。
一個食べて余りに旨くてむさぼる様に残りを食べた。

あんまり旨くて、仕事の帰りに、3パック買って、すぐに駅で1パック食べて、あと2パックは家で食った
何と冷えても旨いのである。驚きである。



タコ焼きとは何か
結論を言うとタコ焼きと言うのは和風ホワイトソース(クリームシチュー)を巧みな方法で空気から隔離した食べ物なのだ


「ホワイトソース(クリームシチュー)」は小麦粉とバターと牛乳とクリームでベースを作る。
「タコ焼き」小麦粉とダシ出来ている。バターと牛乳が入らないのだ。

タコ焼きの中には関西の奥深いダシ文化が有るのだ。


フランス料理にパイ皮でホワイトソースを包んだレシピが有るが、タコ焼きは比較にならない程優秀なレシピである。
タコ焼きはホワイトソース(クリームシチュー)の一番外側を熱で凝固させて中に旨味を閉じ込めるのである。 だから、外側はぱりっと焼けて中はトロトロしていなければならない。冷えても中のトロトロ感は失われてはいけない。

そして、誰がタコとクリームの相性を発明したのだろうか


タコの大きさはタコ焼きの秀劣には関係ない。
繁華街の店ではタコの大きさを競ったり、タコ焼き自身の大きさを競う店が有るが正しい道を外れている様な気がする。

そもそも、タコと言う食材は弱い加熱で強いダシがでて、過熱した際の硬ささが丁度良いので有る。
(我が家ではクリームシチューにはタコが入る)
本来のタコ焼きの旨さは小麦粉で延ばされた山海の旨味(ダシ)を如何に優秀な技術で球の中に閉じ込めるかと言う技を競うべきなのである。

その為には十分に厚い鉄板で出来たタコ焼き作り機(鉄板に丸い凹があるやつ)が必要になる。弱火で熱を十分に保持出来なければならない。
残念ながら十分に満足の行く物が適切な価格で販売されているのを見た事が無い。



お好み焼きがキャベツを食うレシピだとしたらタコ焼きはクリームシチューを味わうレシピなのだ。

お好み焼きはある程度市販の粉でもキャベツさえ旨ければ何とか格好はできる。鉄板も、ホットプレートを低い温度で使えば何とか旨い物ができる。
ところが、タコ焼きはそうはいかない。

お好み焼きに比べて自宅で満足の行くタコ焼きを作るのは困難である。







うまいタコ焼きの見分け方
東京に限らず「タコ焼き」を水溶き小麦粉を焼き固めて中にタコが入っている食べ物だと思っている人間が多すぎる。
簡単なタコ焼きの見分け方がある。

1)ソースを塗らない店
2)トッピングを乗せない店
3)冷めても小さくならない
4)タコの大きさや玉自身の大きさを誇らない店
この4点を基準にタコ焼きやのチェックを行うと大体はずれないで素敵な出合いが有る。理由は分かっていただけると思う

ちなみに、非常に偶然なのだが、お好み焼きのお千代さんと同じ駅(地下鉄:花園駅)に1軒合格の店が有る。




思いでの味
そして、1999年7月の終わりに旅行の最中に時間を作り、王寺に行った。
タコ焼きの旨さを教えてくれた彼は2-3年くらい前まで近くの町で店を開いていたが、いつの間にか消えてしまい、その後の消息はつかめなかった。
何人かの人に聞いて、最後には王子駅前の自転車置き場の管理人さんにその話を聞いた時にはもう夕方が近かった。

5年前にあった屋台の話を聞いて覚えている人がそれなりに居たと言う事はそこそこに王子近辺でも評価されていたのだろうなと思った。汗だくになったので、王子の銭湯に入りその夜の飲み会に向かった。


結局今回の旅行では、タコ焼きを食べなかった。


あの日、帰り道で3パック分のタコ焼きを買った時、雑談の中でおやじさんに作り方を聞いた時の事を良く覚えている。
昔、うかつにも作り方を教えた男が、今は大きな店で羽振りが良い と悔しそうに言った。そしてそれ以来彼は作り方を人に話す事は無くなったそうだ。

話をしながら大きなサイダーの缶から焼酎割りのサイダーを飲んでいた。
店が終わるまでに酔いつぶれなければ良いがと思いながら彼が座っているバンの後部座席を後にした。


今、どこで何をしているのだろうか

思いでの味ができてしまった。

リンク
オリバーソースのページ
このメーカーのソースは旨いです。関西地方にしか売っていないので中々知られないけど、とにかく関西に行ったらお土産に買うと良いです。
知らないで買って、あんまり旨くて関西生まれの友人に話したら凄く喜んれました。
新潟でも日常的に食べられる様に売ってくれないかなあ。

ちょっと大阪行って食って来るか!!