正しい食事/INDEX 正しい食事/【正しい組合】労働組合の現在的な意義と今後
僕の父は50年間この会社で働いて、最後は御用組合を操作して従業員を経営の思うように操作する役割を果たしいていた。 情と人情で労使のコミュニケーションを計り、経営者は温和で全てを見越している存在。家長として家族(従業員)全員を思い時には涙を隠しながら解雇する。 そんな会社だった。そんな父のおかげで大学を出て、東京で働き、新潟に戻り、この会社に入った。



そして、もうずいぶん経ってしまった様な気がするがまだ3年も経っていないのだ。
1998年9 月21日最初の子供が生まれた。僕は38才妻は37才であった。

その頃、僕は労働組合の委員長として一生懸命だった
組合の委員長に選ばれたのも何かの偶然だけど、そこで出会った出来事は余りに深く僕の中に残っている。


そして翌年、7月に会社は倒産させられる。

僕のいた会社の組合は15年間御用組合として、経営者の手先として、存在して来た。
無論、そんな組合の方向性を作ったのは組合員全員の意志なのだからその事自身は問題はない。
そんな会社は掃いて捨てる程有る。
丁度、バブルのあぶく銭が日本中を覆っていた時代、労使協調の名の元にそんななれ合いの組合は存在した。

そして会社が倒産する時に気が付いてみれば1円の退職金の割り増しもなく、僕らはぽいと捨てられようとした。



余りに腹が立ったので僕は皆を説得した。
労働者にはスト権という物が有って、それを行使して経営者と交渉出来るという事を説得した。

そして、組合は、スト権を確立して、1億3千万円の退職金の割り増しを引き出す事に成功する。



その後は、組合の内部の分裂が起こる。取る物をとってしまったらもはやズタズタである。

大手取引先が会社の設備ごと従業員を買い取るとまことしやかな嘘が流される。再就職先がない事が強調される。 材料が残っている一部部門では従順な従業員を囲い込みはじめる。目を覆わんばかりである。

結局、最後まで組合員として僕が認められると思った人間は10人いなかった。そう言う物なのだ。

組合の役員が、『これ以上活動を続けるなら役員を辞める』と言い出した時、僕も阿呆らしくなってもう止める事にした。
今悔やむのはあの時止めた事だった。同時に止めて良かったとも思っている。

結局、会社が倒産した後で、いくつかの部門が残った。そこで働いているやつらは最低の条件で働かされている。
会社が倒産した後で続く会社の雇用条件、残った人間達が団結出来る下地作りをせめてやりたかったが、そうもいかなかった。
組合の解散会(宴会)をやろうとしたら半分近くの組合員が不参加を表明したのだ。
そんな物に参加したら倒産後の新しい会社に雇ってもらえなくなると相談でもしたのだろうか......。その宴会に組合の金を使わないようにさせようとした連中には呆れた。僕はいまだに猛烈に腹を立てている。


倒産後又始まった会社でふんぞり返っているのは、以前会社を倒産に導いた責任者である。今でもパソコンで将棋ゲームしているのだろう。
きちんと今までの膿を出し切って、新しい経営の方向性を持って会社をスタートさせる事は出来なかった。


それはそれ、組合員の判断なのである。
それはそれ、そう言う人生を送ればいいのである。

結局、この会社の方向を誤らせた連中は誰一人謝罪しなかったし、部長連中は残務整理を行なっているうちに次の職も見つかった。職の無いままに失業保険の給付期間を終える事になる幾人もの一般社員とは好対照である。


結局損をしたのは、真面目に働いていた連中である。
しかし、そんな結果を招いたのは彼等自身なのである。もっと、きちんと組合は経営に発言をして行かなければいけなかったのだし、退職金の積み立ても行なわなければいけなかったのだし、こう言った事態を予測した何らかの手段を打っておくべきだったのだ。


今日は2001年2月19日である。もうすぐ二人目の子供がうまれる。
ようやく、色々な事を整理してまとめられる様な気がする。


少しずつ書いて行こうと思う。
人は愚かで、同じ過ちを繰返すかも知れない、悔恨の念に捕われ抜けだせなくなる事も多いかも知れない。

しかし、記録しておきたい。この子らに同じ思いをさせないように。




この物語で大きな点は以下の四点である。

1)15年間続いてきた御用組合が会社を潰されるにあたって
2)組合は御用組合を脱して、スト権を確立して1億3千万円得る事が出来た
3)その後組合はまた御用組合に戻る。ざくざくに分裂してしまったのだ。
4)会社が倒産して完全に組合の影響力が無くなったら経営者は平気で約束を破った。

ということである。
考えてみれば当たり前の事である。



委員長時代、一人の組合の委員長OBにこう言われた事が有る。『組合員はあなたの背中を見ている。いつも見ている。彼等に恥ずかしくない行為をしなさい。しっかりと自分を信じて一生懸命していればいいのだ。』と。

それは子供を育てる時にも同じ事が言えると思う。
今も時々思う、『背中を見てくれている人間に恥ずかしくない人生を送っているだろうか』と。

ちなみに、この会社の組合はまだ存在している。実質的には何も活動する事はないが、労働金庫とはまだ契約状態に有るので、存在してるのだ。判子は僕が持っているし、一種の同好会のような存在である。











労働組合とはなんだろうか/決して経営の敵ではない。
労働組合とは上手く定義できないので、おいおい考えて行くが、今の段階では 『経営者を恐喝する行為(ストライキ)を行っても犯罪にならない集団(人々の集まり)』 と定義できると思う。
客観的にみて、ストライキと言うのは契約をやぶる行為だから、違法行為のはずである。ところが、社員の多数が賛成したならばそれは違法行為では無くなる訳なのだ。

『公認された恐喝』 これが、ストライキに付いて、僕のお気に入りの定義だ。

経営者は勝手に労働者の給料を決める事ができる。それはそれで良いのである。しかしながら、資本主義は生き残る為に、余りに無能な経営者や理不尽な行いを行う経営者を失脚させるルールを内蔵している。
それが、スト権なのだ。
組合(=労働者)は同時に経営に対して責任を追って行かなければならない。

だから、経営者はストを行って出る損害と、その要求を受けて出る金額を比較して、どちらを取るかを決める。/春闘が敗北続きだと良く言われるが、それは当然である。

『組合が力もたなくなる->要求が通らなくなる->組合の参加率が下がる->組合が力もたなくなる』という循環が発生するのだ。
そして、企業はがらんどうになり、優秀な社員は他の会社に移り、活力が消えて行く。



このWEBの目的/対立が目的ではない。
日本の企業が世界的に競争力を失って行っているのは、優秀な社員、やる気のある社員の意見を経営が吸い上げられなくなって来ている為だと思う。その原因の一端は、社員の企業に対しての一体感をもたなくなって来ていると思う。それを打開する為には、社員を多角的に評価するシステムが必要だと思う。
そして、『組合運動』と言うのはそんな力をもっていると思う。


だから、このページは、組合の人にも、経営者の人にも読んでもらいたい。
やみくもに、経営者と、組合員を対立させる事が目的ではない。


真面目に労働に励み、正直に生きて生活する人々が皆幸せになりますように。
元気に、やる気を出して会社にいって、一日の労働に心地よく疲れる事が出来て、老後を心配しないで暮らせますように。











『N金属倒産時における組合の意見を書いたWEBページ(怒り心頭版)』

『N金属倒産時における組合の意見を書いたWEBページ(穏健版)』
記念品/参考出展です。これは、僕が実際に体験した労働争議の時に会社側へプレッシャをかける為に作った物です。 社名等は実在する物です。かなり生々しい内容です。今みてみると、相当頭に来ていたなあと思います。一切手を入れないで再現します。当時のままなのでこのページには直接戻るボタンがありませんのでご了承下さい。


(怒り心頭版)は当初作った物で、いかに組合員が本気かと言う事をT洋金属に伝える為に作りました。かなりひどい扱いを受けていた事を前面に押し出しています。
(穏健版)は一回目の回答があって、から変えました。

詳しい事は追って書くけど、組合の中でも結構意見が割れたという経緯があります。





【このページを立ち上げるにあたって】
このページを立ち上げる事はとても決心の必要な事だった。しかしながら、この数年の労働者を巡る環境の悪化、様々な怒りを感じる出来事を見るにつけ、何かをしなければならないと言う気持ちに正直に行動する事にした。 きっと、様々な人間を傷つける事になるかも知れない。 嫌なやつだと思われるかも知れないけど、僕は恐れない。

組合の委員長と言う重責を与えられて、何ができるかも分からずに必死に生きた半年間を出来るだけ正直に伝えたい。 今、とても辛い立場にいる誰かの力になれれば嬉しい。