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Philosophical Deliberation about DEMOCRACY/
『原子力発電についての考察』/
巻原発を巡る攻防
巻原発を巡る攻防
攻防といって、一体何から何を守るのだろうか
ゆっくりそれを考えていきたい
そもそも、このページを始めたのは、自分の生活を守る為である。
広瀬隆さんを始めとする作家の方々の本を読んで、世の中のニュースを見て、じっくりと考えてみる。
そして、まだ原子力発電が必要だと言う様ならそう言う人をどう説得して良いか僕には分らない
ただ、忙しい人が多いから僕が今まで読んで来た本の事や考えている事を書いておきたい。
そして本日(1999/9/28)の新潟日報の朝刊に記載されている『東北電力、住民監査請求へ』と言う記事を読んで余りに腹が立ったので始める事にした。
そして本日(1999/9/30)「ジェイ・シー・オーの臨界事故」が起こったので急遽ページを書き足した
今回のJCOの事件の報道を聞いて、関西に来ていたロシアの子供達が帰国させられたという報道を『おかしな事』と報じていたマスコミがあったが、そんな事は無い。彼等は、本当に危険だと言う事を心のそこから知っているのだ。(チェルノブイリ級の事故だと言う報道が流れたせいでもあるが)
1999/10/7 人的災害と言う虚構を始めました(JCOの報道姿勢にあまりにおかしな感じを抱いてしまって)
リンク
まずは見てみて下さい
【新潟県巻町原発住民投票ネットワーク】【
地球環境とエネルギー】【
原子力施設事故アーカイブ】【
ATOMIC AGE】【
ノーニュークスアジアフォーラム】【
From 1986 げんぱつはんたい!!】
なぜ、巻原発を論じるか
住民投票と言う直接民主主義の手法と、通常行われている選挙という間接民主主義の手法は互いに補いあってこそ意味がある。
巻町では、大きな実験が続いている。
直接民主主義と言うのは、自分達のみちは自分達で決めると言う考え方なのでとても厳しい道だ
スエーデンなどでは、国政レベルの政策決定も直接選挙で行われている(と思う、詳しくは別なページで論じますね。)
どちらの結論になろうとも責任の所在がはっきりしているのだ。
日本はどうだろうか。
国政レベルの政策決定の責任は誰がとるのだろうか。
夢のエネルギーだといわれ、安全だといわれ、これだけ多くの原発が作られて、この国は放射能の吹きだまりになろうとしている。(六ヶ所村には海外から高濃度放射性廃棄物が集まってくる事になっている)
それも、誰の責任も問われずにである。
巻ではきちんと責任の所在を明らかにしようとしている
選挙と言う手法では論点がぼやけてしまう事が多々ある。
例えば先の町長選挙では反原発派の町長が当選したが、町議会選では推進派が多数を占めた
選挙の時点では明確にしないで後で推進派になった人間もいたと思う。(最低である)
今後、どのようになるかしっかり見ていきたい。
そして、僕の町に原発が来た時には絶対にまけない。
ここには、地方自治における『インフォームドコンセント』の欠落があるのだ。
原子力発電が、(電力会社の広報などで述べられているような安全な物では無く)危険で、将来の世代に大きな負担を残す物である事を知ったら誰も自分達の町に作らせるなどとは考える事は無いだろう。
しかしながら、危険性を理解するには自分達が一度痛い目にあってみなければ分からないのだろう。
原発が誘致されると、まず建設会社が儲かる。
原発そのものの建設と補助金がお落として行く金が彼等の商売なのだから。
そして、原発や補助金で建てられた施設で雇用もうまれるのだ。
これが、現地で喜ばれる理由なのだ。
しかし、原発が30年程度で廃炉になる事(雇用はなくなる)
補助金も何年かで打ち切られる事(運用費もでなくなる)
2-4万年と言う長い時間原発跡地は完全に使い物にならなくなる(高濃度の放射能汚染が炉心には残りそれは消えないし、どこかへ持っていくわけにはいかない)
地下水に少しでももれたら、『癌、奇形児の発現』は飛躍的に大きくなる。
次の世代に負担を残す事になるのだと言う事をきちんと学べば誰も原発を推進しようとは思わない。
問題はここまで進行した『原子力発電依存度という病』をいかに直すかと言う事だ。
それはまた違うページで論じよう。
デモクラシーの欠陥
巻で原発事故が起こった時には明らかにこの新発田の地域も大きな被害を受ける
しかしながら、僕らは巻の住民で無いと言うだけで一切の意思を行政に反映させる事が出来ない
確かに、国政レベルでは原発は推進されるべきだと言う結論が出ている
県政レベルでも同様の答えが出ている
しかしながら、そのどちらのレベルでも『原子力発電が人類にとって必要か』問いう問いかけはなされない。これは『デモクラシー』にとって正しい事なのだろうか。
確かに、現実的にはこれ以外の方法(包括的に権限を政治家に依託する)は考えられないかも知れない。
確かに、個別の問題に付いての議論は、専門的な知識も必要だし、複雑な要因が多く絡んでくるから簡単には考えられない。
しかしながら、『核』は余りに大きな問題である。
国政レベルでの『インフォームドコンセント』が必要なのである
推進派はいう、『村おこし』に核の施設は必要だ。
雇用は発生するし、補助金はたくさん出るから公共施設は充実する。そのうえ、お上が安全だと言っているから心配する事は無い。
はたして、核施設を誘致する事が地域の発展になるのだろうか
今後、その地域の農産物、海産物は誰も買わなくなるし、常に放射能汚染の影におびえる事になる
地域を根こそぎ破壊するのが核施設なのだと言う事を理解しているのだろうか
そんな土地に、いくら立派な施設が有っても誰も使いはしない
地方自治といっても、地域のボス(土建屋とか不動産屋といった連中が多い)が自分達に都合の良い人間を「長」になるように資金面でのバックアップや集会への出勤(?)を行っているのだから難しい物がある。
そんな中で巻町の住民は反核の運動を現実の物としている。
巻町では、原子力発電所設置予定地の売買問題を皮切りに『住民投票の実施』『町長リコール』『推進派町長辞任』『反推進派町長の就任』『推進派が多数を占めている議会との戦い』と言う流れがおきた。
新潟のローカルな話題では有るが、直接民主主義と間接民主主義の関連を考える上でとても興味深い。
電力会社が原発を好きな理由
電気事業法と言う法律で、『公益企業である電力会社は投資した額の8%以上儲けてはならない』と決められている
この悪法が電力会社に原子力発電を推進させる原動力となっている
原発の建設コストは火力発電所の3倍かかるから、3倍儲かる
だから、電力会社は原発が大好き
電力会社はテレビのスポンサーも沢山している
だから、テレビ局は原発が大好き
政治献金も沢山している
だから政治家は原発が大好き
ヨーロッパや、アメリカでは既に原発は作れない状況だから今までの原発関連企業が投資を取りかえそうとしている。
原発は一回できると、メンテナンス、燃料供給、廃棄物処理、廃炉とあらゆる点において金がかかるし、取りッパグレがない
なにせ、電気料の名目で強制的に集金するのだから......
IAEAをはじめとする核の卸問屋は、今売り込みに必死である。
最近では、日本で作れないから北朝鮮とか、中国で無理矢理作らせようとしている
こいつらの事考えると吐き気がして来る
六ヶ所村の問題はあと20年すると現在原発が稼動している土地の問題になる。
多分、20年経って、廃炉となっても原発の跡地をもとに戻す事は出来ない。(もとに戻すにはその土地の土をみな削り取って他の所で厳重に管理しなければならない)。
廃炉になった時にどのように跡地が処理されるかと言う問題については残念ながら電力会社も、誘致をした連中も誰も触れていない。
その時には、誘致を決断した「長」や「住民」はもう死んでいるかも知れないが、傷付くのは子供達である。
僕が原発を嫌いな理由
○ウランの採掘から生成までにどのくらいの石油エネルギーが使われているのだろうか
○廃棄物は永遠に管理されなければならないけど、そのコストは電気代から払われるのだろうか
○使えなくなった原子炉の解体コストはいくらなのだろうか
○勝手に原子力発電の比率を上げておいて、原子力は必要ですとは何ごとだ
○本当に火力、水力の発電量では賄えないのか
○なぜ、原子力の研究費の何分の一でも良いから他のエネルギー開発に使わないのか
○そんなに安全なら電力を使うところで発電してみろ
どんどん腹が立って来たぞ
なぜ、原発を作る自治体に、地域振興の為の補助金が出るのか
危険だからである
それだけの金額を落とさなければ住民の目をくらませられないから大金を落とすのだ
そして、沢山立派な建物がたつが、補助金が終わると運用費も出なくなる
そうすると、後に残されるのは超危険な廃炉と立派な運動場や公民館が残る
けど、その土地や海で取れた作物は誰も買わない
自分達も食べられない
廃炉は2-3万年位建つと少しは危険性がおさまるがそれまでは雨水一滴中に入ってはいけない程の厳重な管理が必要となる。
奇形児の出現率や癌の発生率はどう変わるだろうか
2-3万年もつコンクリートなど無い。すでに原子炉では手抜き工事でコンクリートにひび割れが見つかったりしていると言うのに、電力を生産しなくなった『この厄介な死の灰のかたまり』に誰が金を払うのだろうか
エネルギーが必要であると言うキャンペーンは幾度もくり返されるが、『電力会社の投資(資産)増大型の原子力発電』と『電力会社の投資(資産)を増大させないその他のエネルギー源』のどちらを選ぶべきかと言う選択肢は問われた事は無い。
本来、そう言った私企業の選択は市場がきめるべき物である
これは、『電力の安定供給の為に、その経済活動を私企業に独占させて、政府が監視する。』と言う物である。
無論最近は色々な規制が緩やかになっては来ているが、全くお話にならないレベルである。
コジェネの拡大利用、太陽熱、風力とか色々な試みがある
原子力発電はどう考えても、実験室レベルの技術でしかないのである
その技術を使い無理矢理に発電を行っている。
発電にはどんな技術が最適か
色々あるのだが、どこで技術の良非を考えるかと言うとエネルギー効率を検討していくのが一番良い。
原子力発電はエネルギーの大部分を熱の形で捨てているから最悪である。
それこそ、新宿に原発を作ればタービンをまわした安全な二次冷却水をそのまま家庭に送る事ができるから良いではないか。
この考え方は『コジェネ』と呼ばれる物で、エネルギーをなるべく効率良く使おうと言う物である。
日本の法体系では電力の独占を許しているために(少しは緩和された)民間での電源確保と言う点で非常に遅れをとっている。
おまけに、様々な妨害があるようだ。
この項目に関しては別なページで最新の情報を調べて行きます
恐い話
JOCの臨界事故の避難する住民の映像で、放射線計を『のど』の所に当てられていた子供達を見ただろうか。
あれは、甲状腺に放射性同位元素に変わったヨウ素が取り込まれていないかをチェックしていたのである。
一旦放射能もれが発生したら、すぐにヨウ素の錠剤を飲まなければならない。
特に子供は常に大気中から摂取して、それが甲状腺で蓄積される。大人はそうでもないのだが。
ヨウ素の汚染は非常に早い時期(1時間以内)に起こり、すぐに影響が出る上に、洗い流すと言う事が出来ないから厄介である。
甲状腺に取り込まれた放射能を発するヨウ素は甲状腺癌をひき起こす。
チェルノブイリでいかに多くの子供達がこれによって亡くなったか、甲状腺の摘出を行ったかは資料を見て下さい。
東海村の村民は、今後、時分達の健康状況を監視しなければならない。
癌の発生率は必ずチェックしないといけない。
おかしな事が分かったら必ず大きな声を出さなければならない。
自分ん達が殺されたのだと言う事を声に出さなければならない。
次に殺される誰かのために声に出さなければならない。
果たして、県知事は、村長は放射能汚染で死んでいく子供達に何とわびるつもりだろうか。
この事を考えに入れて、JOCでの事故発生後2時間かかった事をどう考えるか。
ヨウ素錠剤の配付を考えているという報道が有ったのは翌日の事だった
放射能もれが起った時の避難訓練は現在、何処の原発でも行われていない
いらない不安を与えたく無いという理由にならない理由をつけるのは止めてほしい。
すぐに、すべての原発の50km圏内の家庭にヨウ素錠剤と防塵マスクの配付を行ってほしい。当然、登下校の際にはもって歩かないといけない。
そのぐらいの危険があるのだと言う事をハッキリ認識してもらいたい。
参考文献と映画
かなりの本が有ったはずなんだけど、見当たらない
前に引っ越した時にどこかにやったみたいだ
きっと出て来るだろうから、そしたら又書きたそう
【必読】
これらの本を読まないでメールは送らないで下さい
電力会社の広報パンフレットレベルの知識ではお話になりません
いずれも、古典的な位置に有る文献だと思います
眠れない話とか原発ジプシーとか色々有ったのに見当たらないなあ
『新版・危険な話』広瀬隆/新潮社_新潮文庫/
多分この本が原子力発電の問題点を端的に表現していると思う
いくぶん、話が大きくなっている様な雰囲気も有るが、世界の経済システムの中でいかに原子力発電が動いているかを論じている
『図解・危険な話』コミックボックス編/ふゅーじょんぷろだくと
『プルトニュウム』友清裕昭/講談社_ブルーバックス新書
『原発はなぜ危険か』田中三彦/岩波書店_岩波新書
『原子力発電』武谷三男/岩波書店_岩波新書
【チェルノブイリ関係】
かなりの本がでています
人類にとっていかに大きな事件であったか計り知れない物が有ります
『チェルノブイリの少年たち』広瀬隆/新潮社_新潮文庫/
『チェルノブイリ報告』広河隆一/岩波書店_岩波新書
『チェルノブイリ 上・下』RPゲイル+Tハウザー/岩波書店_岩波新書
【その他】
『闇に消される原発被曝者』樋口健二/三一書房
『原子力裁判』マシューマクルア著+大井幸子+綿貫礼子訳/アンビエル
『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』広瀬隆/文春文庫/
『エネルギー問題についての基礎知識』
『そこに原発があるけれど』柴野徹夫/アケビ書店
買って、読んでみてびっくりした。
広瀬隆をかなりこき下ろしているのである。まあ、それもそれで良いのかなあと思いながら、この本はあんまり好きではない。
【映画】
『シルクウッド』
凄く良い映画です
実話を下敷きにしています
全く無自覚に生きて来た1人の女性が、ふとしたきっかけで目覚め、企業を告発しようとする、そして殺される
徐々に彼女が自覚していく過程と出会った男性との愛
小さな田舎町でのプルトニュウム製造工場の大きな位置と閉鎖的な管理
最後に彼女が戦う決心をして愛した男性に笑顔を残して出発するシーンは思い出すだけで涙が出て来る
メリルストリープがとても美しく演じています
この映画の中では「アメイジンググレース」が流れるのですが、僕はこの曲をきくと涙が出て来る
本当に彼女が殺されたのかどうかは分らないが、こういう素晴らしい映画が存在する事自身が凄い
『チャイナシンドローム』
凄い映画だよね
ジャックレモンが大好きだ
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文句の有る奴は相手になってやる、いつでも来い